探究学習と海外プログラムをどう結びつける?事例と設計ポイントを解説

探究学習が高校教育の柱の一つとなる中で、「海外プログラム」との接続に注目が集まっています。単なる海外体験ではなく、探究活動と結びつけることで、学びの深さは大きく変わります。しかし、「海外に行けば探究が深まる」という単純な話ではありません。重要なのは、テーマ設定と設計です。本記事では、探究学習と海外プログラムをどのように結びつけるのか、その具体像と設計のポイントを整理します。

なぜ探究学習に海外プログラムが注目されているのか

探究学習の本来の目的

探究学習は、答えの決まっていない問いに対して、自ら課題を設定し、調査し、考察し、発信する力を育てる学習です。単なる情報収集ではなく、主体的な問いの設定が重視されます。

国内テーマとの違い

国内でも地域課題や社会問題をテーマに探究することは可能です。しかし、海外と接続することで「比較」という視点が生まれます。例えば、環境問題を扱う場合、日本と海外では制度や文化、取り組み方が異なります。この違いに触れることで、問いの質が変わります。

海外と結びつくことで何が変わるのか

海外の現状を知ることで、自分たちの課題を客観視できるようになります。「なぜ日本ではこうなのか」「他国ではどう解決しているのか」といった視点が加わります。この比較と対話こそが、探究を深める要素です。

探究学習×海外プログラムの代表的な形

①海外渡航型プログラム

渡航型では、現地での調査やインタビュー、学校交流を通じて探究を行います。例えば、SDGsをテーマにしたプログラムでは、現地の企業や団体を訪問し、取り組みを直接聞く機会があります。教科書で学ぶ内容とは異なり、現場の声に触れることで理解が深まります。現地校との共同プロジェクトでは、異なる視点を持つ生徒同士が意見を交換します。言語の壁を越えて議論する経験は、問いをさらに具体化させます。

②オンライン型海外プログラム

渡航が難しい場合でも、オンラインを活用した海外プログラムがあります。海外の学校と合同でテーマを設定し、ディスカッションやプレゼンテーションを行う形式です。海外講師によるワークショップや、少人数の対話型セッションもあります。オンラインであっても、実際に海外の同世代と意見を交わすことで、視野は広がります。渡航型の前段階として活用する学校もあります。

海外プログラムで探究が深まる理由

問いの質が変わる

海外の現状に触れることで、「自分事」として課題を捉えやすくなります。単なるレポート作成ではなく、「なぜそうなのか」という本質的な問いが生まれます。

比較視点が生まれる

比較は探究を深める重要な要素です。異なる制度や文化に触れることで、自国の特徴が浮き彫りになります。

リアルな社会課題に触れる

現地で直接話を聞くことで、課題の複雑さや背景を実感できます。数字やデータだけでは見えない部分が見えてきます。

当事者意識を持つ

海外の生徒と議論する中で、自分の意見を持つ必要が生じます。この経験は、主体性や責任感を育てます。

プログラム設計のポイント

事前学習でテーマを絞る

渡航や交流の前に、十分な事前学習を行うことが重要です。テーマを明確にし、問いを設定しておくことで、現地活動が調査活動として機能します。

現地活動を『見学』で終わらせない

訪問や交流を単なる見学で終わらせず、インタビューや質問時間を設けるなど、主体的な関わりを設計する必要があります。

事後まとめと発表

帰国後や交流後に、成果をまとめて発表する場を設けます。言語化することで学びが整理されます。

評価方法の設計

探究活動として位置づける以上、評価方法も重要です。レポートやプレゼンテーションだけでなく、思考のプロセスも評価対象にすることが考えられます。

導入時によくある課題と対策

費用の問題

渡航型は費用が課題になる場合があります。その場合はオンライン型や短期プログラムから始める方法もあります。

時間確保の課題

カリキュラムとの調整が必要です。総合的な探究の時間と連動させることで、時間確保がしやすくなります。

安全管理

渡航型では安全管理体制の整備が不可欠です。事前説明や危機管理マニュアルの作成が求められます。

まとめ|探究学習×海外は『設計次第で大きな学びになる』

探究学習と海外プログラムは、適切に設計すれば非常に相性の良い組み合わせです。重要なのは、「海外に行くこと」自体ではなく、問いの設定と学習設計です。渡航型でもオンライン型でも、目的を明確にし、事前・事後の学習を組み込むことで、学びは深まります。海外という環境は、探究を一段階引き上げる可能性を持っています。その可能性を最大化するには、丁寧な設計が欠かせません。

SDGs・探究学習の実施をご検討中の先生方へ

Curious Worldの海外語学研修の詳細は、
以下の特設ページよりご確認いただけます。

SDGs・探究学習の特設ページを見る