現地校交流のメリット&デメリットや実例について紹介
現地校とは
皆さんは現地校という言葉を聞いたことがありますか?
現地校とは簡単に言うと『その国の子供が主に通っている学校』のことです。
本記事ではそんな現地校について、現地校ならではの特徴や現地校交流の実例について紹介していきます。
興味がある方は是非最後までご覧になってください。
現地校と日本人学校の違い
はじめに、現地校と日本人学校の違いについて紹介します。
現地校はその国の子供たちが主に通う学校なので、例えばアメリカの現地校ではアメリカの学生が大半となります。
対して日本人学校は『国内の小学校、中学校又は高等学校における教育と同等の教育を行うことを目的とする、全日制の教育施設』であるため、日本で学校に通う場合と大きく異なることはありません。
現地校と日本人学校の最も大きな違いとしては、やはり語学の面が大きいでしょう。
現地校では現地の言葉で学習する必要があるため、通う際にはどのくらいその国で生活するのか、いずれ日本で暮らす予定はあるのかなど考慮して、慎重に選ぶ必要があります。
その他の違いについては以下の通りです。
【現地校の場合】
・現地の言語での学習
・ネイティブの会話にふれる機会が多い
・英語を習得するまで教科学習を行わない場合がある
・下校時間は午後2時から午後3時15分
【日本人学校の場合】
・日本語メインでの学習
・日本語で学力を最大限に伸ばし日本人としてのアイデンティティーを築くことができる
・体育や音楽などの実技教科も提供
・下校時間は3時15 分~6時10分
現地校との交流をするメリット&デメリット
現在だと教育機関などの様々な団体で、現地校との交流を行う取り組みがなされています。
ここからは、現地校との交流をするメリット&デメリットについて紹介していきます。
メリット
外国語を話す機会を得ることで学習意欲を高める
学校で外国語を学ぶ機会は設けられていたとしても、実際に使える語学力や語学習得に対する意欲を高めることは難しいといわれています。
しかし、現地校交流なら生徒たちは同世代の学生と交流し、実際に外国語でコミュニケーションをとるため、学習意欲が高い傾向にあるようです。
また『海外の友達がほしい』といった要望を叶えることが出来るため、生徒たちも積極的に取り組んでくれる場合が多いようです。
グローバル教育の推進ができる
グローバル教育の重要性は近年非常に高まってきています。
日本では2020年の教育改革により小学校の英語必修化や、プログラミングの導入、アクティブラーニングの導入などが進みました。
現地校交流を積極的に行うことは、教育機関にとってこれらのグローバル教育を推進することに繋がります。
デメリット
導入や開催までのハードルが高い
現地校交流を行うには、現地校との連携が不可欠です。
実際に開催するには現在だとオンラインでも行うことが出来るため手軽になりましたが、開催日時やプログラムについてしっかりと共有することが必要です。
こういった学校側でしなくてはならない準備が多いことで、導入や開催のハードルが高くなることは現地校交流のデメリットと言えます。
現地校交流の実例
ここからは、これまでに実際に行われてきた現地校交流の例を紹介します。
アムステルダム日本人学校での取り組み事例
アムステルダム日本人学校では国際理解教育の柱として現地校との交流学習を主軸としています。これまでに行ってきた現地校交流としては
・アウトファールト校との交流
1991年から本校と現地校との交流学習のスタート
1泊2日(ホームステイを含む)小学部6年生の相互学校訪問による交流学習を行う
・ヨセフ校との交流
1998年から低学年を除く小学部3年生から5年生の相互学校訪問による交流学習行う
・クリステレイク・リセウム校との交流
英語を共通語としてパートナーとコミュニケーションを図り、一緒に活動する
・その他現地理解のための社会見学・校外学習
などを行っています。
ブラッセル日本人学校での取り組み事例
ブラッセル日本人学校では以下の現地校交流に取り組んでいます。
・小学部において現地のにレイモンド・ヴァン・ベル校を交流相手として『現地校に訪問する活動』『日本人学校に招く活動』をそれぞれ1回ずつ行う
・中学部においてヨーロピアン・スクールの訪問や、モルロンウェイ校との交流を行う
これらの現地校交流を行うことで、生徒たちにとって同世代のベルギーの子どもたちと交流する貴重な機会となり、学んでいる外国語(フランス語・英語)を活用する機会になっているといい、保護者からの評判がとても良いそうです。しかし長年これらの取り組みをしている中で、以下のような課題も出てきています。
【現地校交流の課題】
・毎年の交流内容や反省の蓄積が十分になされておらず、次年度に生かされていない。その結果「学年が違うのに同じような活動をしている」等の声が毎年挙がるようになっている
・『何のために交流を行うのか』という目的意識が児童生徒、そして教員側にも不足している
・生徒同士が文化の壁によって上手くコミュニケーションをとれない場面があり、何かしらのサポートをする必要がある
ベルリン日本人国際学校での取り組み事例
ベルリン日本人国際学校では以下のような現地校交流に取り組んでいます。
・隣接するコンラート小学校や姉妹校であるドライリンデン小学校との交流によってドイツ語を学ぶ
・ドライリンデンギムナジウムとの交流で英語を学ぶ
ベルリン日本人国際学校ではこういった現地校交流を行う狙いとして『ドイツと日本の文化や習慣の共通点や相違点を交流できるようにすること』や『ただ外国語を話すだけではなく、実際に何かを作ったり、活動したりすることで、英語を用いる機会が確保できること』を意識しているといいます。現地校交流の具体的な内容としては
・外国語で現地の学生と自己紹介ゲームを行う
・クリスマスツリーと鏡餅、教会でのミサと初詣、クリスマスプレゼントとお年玉、クリスマスカードと年賀状などを比較し、それぞれの文化の行事について紹介する
などのプログラムを行ったそうです。
まとめ
いかがでしょうか。
現地校交流には様々なメリットとデメリットがありますが、生徒の立場からするとメリットが大きい取り組みです。
これまでは現地校交流を積極的に行っているのは現地の日本人学校が多かったですが、今後はグローバル教育の推進等によって、日本の学校でもオンラインなどを活用した導入事例が増えていくことでしょう。
もしもこういった現地校交流に興味がある方は、是非オンラインなども視野に入れて導入を進めてみてはいかがでしょうか。
本記事が皆様の参考になれば幸いです。