近畿大学附属高等学校にて「グローバル探究プログラム」を実施
実施背景
経済産業省による「探究的な学び支援補助金2023」に弊社が運営する探究学習プログラム「グローバル探究〜It’s a curious world~」が採択されました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000080202.html
この補助金を活用し、近畿大学附属高等学校の英語特化コース(1年生〜3年生)にて当プログラムを実施しました。弊社では
①将来グローバル人材として活躍するためにフィリピンの一事例を探究することを通して必要な課題解決力や協働力を身につけて欲しい。
②現代に欠かせないITCリテラシーの向上を英語でのプレゼンテーションを通して養って欲しい。
といった想いからプログラムを立案、開発致しました。
このプログラムには国際団体「ATC21s」が提唱する「21世紀型スキル」の「問題解決」「 学び方の学習」「コミュニケーション」「コラボレーション」「 ICTリテラシー」「個人の責任と社会的責任(異文化理解と異文化適応能力を含む)」の要素も含まれています。
学習日程
今回は近畿大学附属高等学校の112名の生徒様に下記日程で弊社レッスンを受講して頂きました。
開始前 | 事前学習 『環境問題(ゴミ処理)ってなんだろう』 日本のゴミ処理現状を各自でリサーチ |
Day1 | メタバース in Cebu フィリピンのCebu島はどんなところだろう? 話題のメタバースの世界を体験してみよう! |
Day2 | NPOの方からフィリピンについての話 ① フィリピンの現状、スモーキーマウンテンについての動画視聴 ② 自分で感じたことを書く、疑問点(問いを立てる準備) |
Day3 | グループワーク 自分が感じたこと、調べたこと、現地に質問したいことをグループで共有、次回現地の方に質問する内容を絞る |
Day4 | スモーキーマウンテンに住む人に現地スタッフを介して英語で質問をする 質問事前提出&その場での追加質問(Live中継) |
Day5 | グループで英語のGoogleスライドの準備 グループメンバーでどのトピックを探究するか最終的に絞る Googleスライドの作成方法について学ぶ |
Day6 | フィリピン講師と一緒にスライドを作成 フィリピン講師から英文添削をしてもらい、スライドを協働作成しました。 |
Day7 | 英語プレゼンテーション練習(発表の仕方、発音、表現)(英語) |
Day8 | グループで英語プレゼンテーションの発表 〜国際社会に英語で自分の意見を伝えよう〜(視聴者:NPO担当者、フィリピン人講師)(英語) |
学習後 | 総振り返り (各自 or 学校主導) |
学習の様子
Day1「メタバース in Cebu」
参加者がそれぞれのアバターを使って仮想現実空間に入り、フィリピン人講師からフィリピンの歴史、文化についてのレクチャーを受けました。オーダーメイドでメタバース空間を作成しております。
Day2「NPOの方からフィリピンについての話 動画①②」
ゴミ山で生活している人々のお話や、NPO団体で活動している代表者による現地の状況や活動内容についてのお話を視聴しました。
Day3「グループワーク」
自分が感じたこと、調べたこと、現地に質問したいことをグループで共有し、次回現地の方に質問する内容を絞りました。
Day4「現地インタビュー」
現地の方にリアルな生活状況を教えていただきました。
また、現地の生活の様子をライブ配信することで言葉や資料だけでは伝わらない体験をすることができました。
Day5「グループで英語Googleスライドの準備」
グループメンバーでどのようなトピックを探究するか最終的に絞りました。
Day6「フィリピン講師と一緒にスライドを作成」
フィリピン講師から英文添削をしてもらい、スライドを協働作成しました。
Day7「英語プレゼンテーション練習」
プレゼンテーションの練習をしました。
フィリピン講師より発音、抑揚、表現、発表の心構えなどの指導がありました。
Day8「グループで英語プレゼンテーション発表」〜国際社会に英語で自分の意見を伝えよう〜(NPO担当者、フィリピン人講師)(英語)
グループ毎にプレゼンテーションを行い、フィリピン講師代表、NPO代表よりコメント、アドバイスをもらいました。どのグループも素晴らしい発表でしたが、最優秀賞には下記のグループが選出されました。
★最優秀賞
1年生 Group 4 「Income or health」
小野山 咲希さん / 中谷 心優さん / 西森 呼春さん / 山岡 愛葉さん
2年生 Group 8「Situation of Smoky Mountain: Good or Bad」
川村 真穂さん / ジオメッティ ルカさん/ 辻 陽向さん
3年生 Group 9「The Unknown Food Problem in the Philippines」
奥 晴輝さん / 坂本 理貴さん/ 野中 琉斗さん
<発表動画>
1年生 Group 4
2年生 Group 8
3年生 Group 9
評価方法(ルーブリック)
21世紀型スキルを育む評価設計
ATC21Sプロジェクト*は、下記のような10の21世紀型スキルを提唱しています。本探究プロジェクトでは以下の21世紀型スキルを育むための評価を用いています。
思考の方法 1.創造性とイノベーション 2.批判的思考、問題解決、意思決定 3.学び方の学習、メタ認知 |
働くためのツール 6.情報リテラシー(ソース、証拠、バイアスに関する研究を含む) 7.ICTリテラシー |
働く方法 4.コミュニケーション 5.コラボレーション(チームワーク) |
世界の中で生きる 8.地域とグローバルの良い市民であること(シチズンシップ) 9.人生とキャリア発達 10.個人の責任と社会的責任(異文化理解と異文化適応能力を含む) |
*ATC21Sプロジェクト:教育における様々な課題、論点、機会について議論するタスクフォースが立ち上がり、シスコシステムズ、マイクロソフト、インテルなどの企業や教育の専門家らによって構成され、メルボルン大学を拠点として行われたプロジェクト。
先生の声、生徒の声
英語特化コース1年 山岡 愛葉さん
私はこの探究プログラムを通して、自分の考えや価値観が大きく変わったことがありました。それはスモーキーマウンテンの方々の中には、ゴミがなくなると困ってしまう人もいるということです。このことを現地の方から聞く前まで、私は「ゴミ問題」の解決策はゴミを減らすことだと思っていましたが、この解決策は私の勝手なものさしでしか見えていないと気づきました。また、広い視野を持たなければいつまでも偏った価値観でしか物事を見ることができないと思いました。そのため、新しい学びを通して自分の未知な部分を見つけることが大切だと感じました。これからは身についたことを最大限に生かし、自分の成長に繋げるだけでなく、周りの人にも良い影響を与えられるようになりたいと思うようになりました。
英語特化コース2年 川村 真穂さん
今回のセブ島のゴミ問題について考える機会を与えてくださった方々にとても感謝しています。最初は海外のゴミ問題ですらはっきりと理解しておらず、どの様に考えればいいかもわからない状況でした。ですが、現地の方々のお話を聞いていくうちに私たちと現地の人とでのゴミの認識の違いを新しく発見することが出来ました。それは、現地ではゴミを使って生活をしている方々もいるということでした。ゴミをただ処理するだけでは、このセブ島のゴミ問題は解決しないので、環境問題について考えることの難しさも学びました。プレゼンの事前準備の際には、フィリピン人講師の方々からスライドのアドバイスを貰いプレゼンの流れを一緒に確認しました。私たちの学校は普段からプレゼンが多いので、自分たちのプレゼンのやり方で進めがちなのですが、今回は講師の方々からのアドバイスを基に、いつもとは違うプレゼンのポイントを掴み、それを実施できたと思います。初めての取り組みばかりで、知識も少なく、グループで進めるのも困難だったのですが、この探究プロジェクトを通して世界の環境問題について考え、視野を広く持ついい機会になりました。ありがとうございました。
英語特化コース2年 担当教員 大原 世莉 先生
生徒たちがセブ島のゴミ問題についてオンラインで学ぶ姿は、非常に印象深いものでした。彼らが現地の人々と直接話し、問題意識に大きなずれがあることを発見した瞬間は、教育の力を改めて感じさせられました。特に、生徒たちはゴミ山を無くせばいいと安易に考えていましたが、そこで暮らす人々はそれを望んでいないという発見に生徒たちは大きな衝撃を受けていました。また、フィリピン人講師との協力によるプレゼンの準備は、生徒たちにとって楽しく、かつ有意義な経験になったようです。英語特化コースでは英語の授業は英語で行われているため、本校の英語教育の成果が、彼らがスムーズにコミュニケーションを取る姿からも明らかになりました。このような探究学習は、生徒たちの世界観を広げ、社会的な問題に対する理解を深める素晴らしい機会だと感じました。
グローバル探究プログラムをご希望の方へ
興味を持っていただけた学校関係者の皆様は是非お気軽にご相談ください。
お申し込みの流れ
- 1.Webよりお問い合わせ
- 2.お打ち合わせ(オンラインミーティング等)
- 3.お申し込み
- 4.プログラム開始
プログラム監修者
近畿大学附属高等学校 大川稔和先生監修
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