【JMOOCってなに?】JMOOCの特徴やメリット・デメリットについて徹底解説します

MOOCって何?

皆さんは今話題の『MOOC』という言葉を聞いたことがありますか?

MOOCはMassive open online courseの略語です。日本語では『ムーク』や『ムークス』と言います。

MOOCがいったい何なのかというと『インターネットを通じて海外や遠方の教育機関の講義を視聴することが出来るプラットフォーム』のことです。

MOOCは2008年ごろのアメリカでスタートし、近年は世界的な広がりを見せています。

本記事ではそんなMOOCの中でも日本で作られた日本版MOOCである『JMOOC』について紹介していきます。

興味がある方は是非最後までご覧になって下さい。

日本版の『JMOOC』について

ここからはJMOOCの概要について紹介していきます。

 JMOOCとは

JMOOCはアメリカで始まったMOOCの日本における普及や拡大を目指して、2013年に一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(通称JMOOC)として設立されたものです。

JMOOCでは基本的に日本の大学における講座を扱っており、多くの講座プラットフォームが参加しています。

それらのプラットフォームにはgacco、OLJ、OUJMOOCがあり、JMOOCはこれらをまとめるポータルサイトの役割も果たしています。

そのためJMOOCではこれらのプラットフォームが配信する全ての講座を閲覧、受講することが可能です。
 

 JMOOCが出来た背景

MOOCはもともとアメリカで始まった取り組みですが、近年のインターネットの普及や、グローバル化、スマートフォンやタブレットを中心としたデバイスの発展により世界的に広まっていきました。

そこで日本でも日本独自のMOOCを作ろうという動きがでてきて、2013年に初めて日本独自のMOOCである『JMOOC』が設立されました。
 

 JMOOCで出来ること

JMOOCには東京大学、慶応義塾大学、早稲田大学など名だたる大学の講座が約200以上も配信されていて、自由に登録&受講することが出来ます。

日本の大学の講座が多いですが海外の有名大学の講座もそろっています。
 

 JMOOCの特徴

JMOOCは日本語で受けられる講座が多く、海外のMOOCに比べて日本人は受講のハードルが低いことが特徴です。

また、講座の内容は『工学』や『自然科学』が充実していて、最近では『アート』や『デザイン』『心理学』『歴史学』などの講座も増えてきています。

また海外のMOOCと同様、ほぼ全ての講座を無料で受講することができます。
 

 JMOOCの現在の状況

JMOOCの利用者は累計で100万人以上にもなっています。

その多くが大学を卒業した社会人の方々であり、約7割を占めているそうです。

これらのことからJMOOCは社会人になってからの『学び直し』として活用されることが多いと分かります。
 

JMOOCのメリット・デメリット

ここからはJMOOCのメリット・デメリットについて紹介していきます。

 メリット

 

・無料で学べる

なんといってもJMOOCはほとんどの講座を無料で受講できる点が大きなメリットです。

社会人になってから大学の講義を受けようと思っても、再度受験することは難しい場合が多く、コストもかなり高くなってしまいます。

しかしJMOOCなら大学を受験しなくても自分の学びたい講座を無料で受講できるため、どんな経済状況の方でも学ぶことが出来るのです。
 

・社会人の学び直しが出来る

社会人になってからでもJMOOCを使えば学び直しが出来ます。

JMOOCには東京大学や慶応義塾大学など有名大学のレベルの高い講座が揃っているため、仕事で必要になる専門分野を学びたいという方には非常に役立つでしょう。

特に最近では工学や自然科学以外のアート・デザイン、心理学などの講座も増えてきていますので、様々な分野から学び直したい講座を選ぶことが出来ます。
  

・日本語で学べる

JMOOCでは日本の大学の講座を数多く扱っているため、ほとんどの講座を日本語で受けることが出来ます。

実はMOOCの多くは海外のものなので、受講しても英語が分からなかったり字幕を追いかけなくてはならなかったりと、日本人にとっては受講のハードルが高い場合が多いです。

しかしJMOOCなら言語を気にせずに受講できるため、心理的なハードルも低く受講しやすいと言えます。
  

 デメリット

 

・コンテンツの偏りがある

最近ではアートやデザイン、心理学などの分野も増えてきましたが、工学や自然科学にかかわる講座の比率が多いことは否めません。

学びたい分野が工学や自然科学以外の分野である場合、講座の選択肢が限られてしまうことが考えられます。
  

・学位の取得は出来ない

JMOOCでは学位の取得は出来ません。学ぶことが目的ならばJMOOCでも十分に可能ですが、学歴が欲しい方にはJMOOCは適さないでしょう。

また、講座の課題や修了要件をクリアした場合には終了証がもらえますが、それらをキャリアチェンジの為に使えるかと言われると、そこまでの普及はしていないと言えます。
  

JMOOCが他のオンライン学習コンテンツより優れている点

JMOOCはオンラインで講座を視聴できるため、YouTubeなどの動画配信サービスの学習コンテンツと何が違うのか?と思われる方もいるかもしれません。

確かに無料のオンライン学習という意味では同じですが、JMOOCで扱う講座は全て事前に講座選定委員会で適切であるかどうかの検討しています。

そのため、どの講座を受講しても一定の質が担保されているため、YouTubeなどの個人による発信よりも信ぴょう性が高いのです。

そのため、個人の偏見や間違った知識を学びたくないという方にとっては、無料で受講できるJMOOCの方がおすすめといえます。

JMOOCはどんな人におすすめ?

JMOOCは社会人で専門分野を学び直したい方や、経済的な理由で大学を諦めてしまった方に特におすすめです。

JMOOCは無料の講座を配信している理由として『経済的な格差による教育格差をなくす』という意思があるそうです。

そのため、スマホなどのインターネット環境さえあれば海外に住んでいても、どんな年齢であっても誰でも大学の講座を受講することが出来るので、経済的な理由で学び直しが出来ないと感じている方には非常におすすめです。

JMOOCの今後の展望

JMOOCは今後転職活動などに使える電子資格や修了証明書の発行をすすめていきたいとしています。

これらが普及すれば、今後JMOOCでの学習歴が学歴のように評価される時代が来るかもしれません。

実際に海外のMOOCでは既にこういった取り組みが進んでいるため、JMOOCも将来的にはそのような体制になっていくと考えられます。

まとめ

いかがでしたか。

JMOOCは社会人になってからでも大学の講座を受講できる画期的な取り組みです。

JMOOCを利用すれば、これまで経済的な理由で大学を断念した方々でも手軽に学ぶことができます。

今後JMOOCでは講座の分野を増やしたり、キャリアに活かせる証明書の発行をするといった取り組みをしていくとされているため、興味がある方は利用を検討してみてはいかがでしょうか?

本記事が皆様の参考になれば幸いです。